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Exhibition : Medzicentrum V
2014.08.01 - 08.10 Topoľčany, Slovakia

Supported by : Nástupište 1-12

スロバキアの小都市、トポルチャーニー。真夏の日差しが1950年代に建てられたという、巨大なコンクリート・ビルディングの影を鮮やかに描き出しています。

トポルチャーニーの町は、この辺りの他の国々や都市と同じように、共産主義体制の時代に再設計されました。一部の歴史的な建造物を除いて、町の大部分は取り壊され、画一的で人工的な都市規格が町に適用されました。

三本のプラットフォームを備えた中央バスターミナルも、当時の香りを濃く漂わせています。人のまばらな、殺伐としたコンクリートの塊が落とす直線的で鋭い影は、まるである時代が町に刻み込んだ、歴史の陰影であるようにも思われました。

展覧会「Medzicentrum V」において私は、この非常に人工的な気配のする規格都市に、自然の要素を取り込むことを試みました。

1番から36番まである18箇所のバス乗り場に、午前九時から三十分おきに、夕方五時三十分まで、私は建物の影をトレースしました。1番乗り場では午前九時の、36番では午後五時三十分の、八月の影の跡を見ることができます。

影の跡を追った白線は、一見、公共の指示線(ウェイティング・ライン)の様相をしています。しかし、これは影の位置によって時間を知ることができる、公共の日時計としても機能しています。

 

>> Interview @ Medzicentrum (from 08:20)