火 馬

 

Permanet work 2013.07.27 -
Exhibition : Je-Ra-Han Art Workshop Project 'Field'
12.13 - 12.20 Jeju Horse Museum,
大韓民国済州特別自治道西歸浦市加時里

Supported by :
Gasiri Center for Art Creation
Jeju Horse Park
Jeju Culture & Art Foundation

伝統的に韓国では、「馬」は移動の象徴であると云います。そして、馬が運搬するのは物質的なものに限らず、観念的なものも含まれていた、と考えられています。

古い民間信仰を守る村へ行くと、村の祭壇に馬の絵が描かれていることがあります。これは上位の精神的存在が、この世界と別の世界を馬に乗って行き来する、と信じられていたからだと云われています。同じ発想から、村の入り口に馬の像を設置する村もあるそうです。また例えば、このような村に病人が出ると、数日間の祈祷の後に、病を象徴する特別な呪符と病人を象徴する人形を馬に乗せ、遠くへ運ばせる、つまり病が遠ざかることを比喩的に表現した儀式を行ったとも云われています。

 

かつて耽羅(タムナ)という独立した王国が存在していた済州島では、13世紀の元統治時代から「馬」の牧畜が非常に盛んです。一方で、島の特徴を言い表す言葉「三麗・三多・三無」によれば、火山島である済州に多く存在する三つの要素の内のひとつは「石」であると云います。

作品「火馬」は、耐火煉瓦の窯と馬の形を模した石垣の作品です。観客は美術館に用意された紙に自身の願いを書き込み、少し離れた牧草地の丘の上に設置された窯で燃やすことができます。 本作はジンクスをテーマとしているだけではなく、人々が自然を楽しみながら外へ出て、訪れることのできるランドマークを建立することを試みています。