無 限 2008

 

Exhibition : HISTOIRES D'EAUX - HISTOIRES D'ART
2008.06.01 - 09.31
Gréoux les Bains, Provence, France

Supported by : HISTOIRES D'EAUX - HISTOIRES D'ART

この木製インスタレーションシリーズにおける私の興味は、自然風景の中に「規格化」された人間の「記号」を描き込むことです。

今回私は、∞(インフィニティ)のフォームを備えた、木製の遊歩道を制作しました。私はこれを「遊歩道」と呼びましたが、このインフィニティのフォームには遊歩道に恐らく不可欠な設備である、「入口」も「出口」も存在しておらず、つまり遊歩道としての役割はまるで果たしていません。これは「無意味で無目的な散歩」へ人々を招待する為の装置です。

自然の景観にこの古代のシンボルを描き込むことにより、私は全く機能しない遊歩道を設置することをもくろみました。∞(インフィニティ)は、しばし自身の尾を無限に消費し続ける巨大な蛇の隠喩を伴う、古代からの知恵からの概念です。また、非機能的、或いは無意味なものへの考察は、人間によって求め描かれてきたユートピア像に起因する、現代ますます増加する消費者保護社会に対する問いかけでもあります。