"Bizzare Carnival" Half open studio :
2013.02.09 MeetFactory, Prague, Czech Republic

Supported by :
MeetFactory

国際交流基金ブダペスト日本文化センター

 

あるチェコ人によれば、チェコ共和国の "公共空間" とは、共産主義的なものであるといいます。西ヨーロッパにおいて "公共空間" とは、文字通り "公" のものであり、人々はそこで自由に公共の話題を語り合うことができます。しかしチェコ共和国における "公共空間" とは、共産主義時代から人々が互いに監視し合うような場所でもあるといいます。公の話題は扉の向こう、常にドアの影で行われるのだといいます。

その話を実感を持って理解することは私にはできませんが、私はこの種類の言説に非常に興味をそそられます。

一方で、2月9日に行われたオープンスタジオのコンセプトは "公共" 、またそのキーワードは "decadence (退廃)" と "bizarre (奇妙)" でした。

本作品 "Door" は一枚の扉とそれに付随した箱によって構成されています。箱の中は扉に取り付けられた覗き穴から覗き見ることができます。"覗く"という行為は何か背徳的な奇妙さを持っています。そしてチェコの "公共空間" が扉の向こう側にあるのであれば、私は例えオープンスタジオであれ、扉を全開するよりも半分閉めようと思いました。また、デカダンスという心境は (少なくとも私にとって) いつもこの箱の中に明滅する文字、 "WHY NOT?" という肯定的な口実によって強化されます。言い換えるならば、"WHY NOT?" という発想はいつも私の心の中に、密かに覗き見ることができる閉ざされた扉の向こう側で点滅しています。

 

>> Interview @ MeetFactory