四 葉

 

Exhibition : YATOO - Wongol international residence
2011.09.22 - 10.06 Wongol, 大韓民国忠清南道公州市

Organized by Korea Nature Art Association 野投

この木製インスタレーションシリーズにおける私の興味は、自然風景の中に「規格化」された人間の「記号」を描き込むことです。

四葉のクローバー」は「幸運」の象徴であると云われています。 私はこの四葉のクローバー型のオブジェクトを制作することによって、未来の人間環境に対する議論を促したいと考えています。

先のプロジェクトでは四葉のデザインをコンピュータのみで行ったのに対して、今回のフィギアは実際の四葉のクローバーの形をトレースしています。

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広島・長崎の歴史的惨事から、原子力の悲劇を学んできた一個の日本人として、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島での原子力発電所事故は衝撃的な出来事でした。

災害の悲惨は勿論のこと、私が痛みを感じるのは、どのように日本社会が(或いはその社会の持つ「未来像」が)、一見無意味に思える感覚を切り捨てながら、少しづつしかし確実に、快適に効率的に、偏った方向へと発展していたのかを目撃することでした。いつの間にか日本社会は、日本企業を国際原子力産業競争に参加させることを積極的に許していました。

非常な痛みを伴うこの出来事はまた、私にとって「幸福」を考させるきっかけともなりました。それは消費者主義的な、つまり消費者に満足を提供する為のパッケージ的なものではなく、非効率でおそらくは不便で、計測不可能であり販売不可能である、どのように言葉を並べて概念を示したとしても、次の瞬間には表面的に意味が剥ぎ取られ、必ず販売可能な「商品」へと転化・目的化される消費者主義的文脈の下では、全く「無意味」としか言いようの無い感覚です。