Chapeau!

 

Exhibition :
Two Shoes Many Hats

2011.05.07 - 05.18 WHITIEPROJECTs, Paris, France
with artist collaborator Danielle Adair (USA)

Open studio
2012.12.18 MeetFactory, Prague, Czech Republic

This installation is a part of research-based collaborative project "Two Shoes Many Hats".

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異文化のことわざや格言にはとても興味深いものがあります。もしもこれらの表現の本来の意味を知らなければ、それらは時に奇妙なイメージを喚起します。

作品 "Chapeau" は、英語の表現「Wearing many hats」と、日本語のことわざ「二束のわらじを履く」から触発されました。英語の「Wearing many hats = 社会的責任や役割を複数持つこと」は、日本語ことわざ、「二束のわらじを履く = 同じ人が二種類の仕事を兼ねること」と非常に似た意味を持っています。これらの表現は、ひとつのアイデアを、「わらじ= Straw sandals」と「Hats」という、異なった比喩を使用することで説明しようとしているようにも見えます。

今日私たちの社会は、国際関係の動向と反応に対して、非常に鋭い観察力を必要としています。しかし言語の違いを越えた対話には同時に、多くの「誤解」や「誤訳」があるかもしれません。

直接的ではない意味を内包する、ことわざや言い回し、比喩表現は想像力の連なりの感覚を刺激し、文化的な発想、表現力を豊かなものにします。しかし地理的、歴史的、或いは文化的背景を共有していない人々の間では、これら複雑な表現を的確に理解することは困難で、またこれらにより「文字通り」、「意図」した内容が伝わるとも限りません。この点で、国際的相互理解とは、オリジナル文化の豊かな表現力に圧力をかけるか、或いは一先ず機能するように、意味を湾曲した極端な「解釈」に頼るしかないようにも思われます。

しかし、この「誤解」や「誤訳」、極端な「解釈」には、想像力の飛躍の可能性があるかもしれません。異言語間で理解の及ばないものを想像する時、「間違い」は逆に私たちの発想を更に大きな領域へと押し進めるかもしれません。