海 月

 

Exhibition :
1st Canakkale Biennial "Transparent Illusion"
Curated by : Denizhan OZER / Seyhan BOZTEPE (TR)
2008.08.10 -08.17 Canakkale, Turkey

Organized by : Municipality of Canakkale

Supported by : The 1st Canakkale Biennial

『1915年、チャナッカレを舞台として繰り広げられたガリポリの戦い (Battle of Gallipoli) は、黒海に海軍を進めようと、エーゲ海からダーダネルス海峡に進攻した連合国海軍を、オスマン海軍が迎え撃つ形で始まった。

8ヶ月にも渡る戦闘で、連合国軍、トルコ軍合わせておよそ50万人の兵士が戦死した。ダーダネルス海峡を包括するこのチャナッカレ市とその周辺には、多くの戦闘の傷跡が残ると共に、戦死者を祭る多くの慰霊碑が現在では建立されている。
一説によれば、激しい戦闘の終わった夜、海峡に流れ込んだ戦死者の血に真っ白な半月が映り込み、これが後にオスマン帝国がトルコ共和国として生まれ変る際の、その国旗のイメージとなったとも云われる。』

昨年ここチャナッカレ市にて知り、とても印象的であったこの話を、私はチャナッカレの海に多い「くらげ」のイメージで再現することにしました。 「くらげ」は日本語では「海月」と書きます。水面に漂う光の集合は月とくらげのダブルイメージです。また、作品「Jellyfish」は、かつて悲しみに染まったこの海を舞台とした、平和への願いへのオマージュです。