六月二十八日

 

Creation :
28 of June. 2005
Ssamzie Space, 大韓民国ソウル特別市

Supported by : Ssamzie Space

6月28日に作品を発表する機会を持ちました。「何の変哲も無い一日を何か変哲のある一日に変える」、私は、「6月28日」を作品に出来ないかどうかと考えました。
私は虫ピンと糸を買ってきて、スタジオの壁に大きく「28.June」と書くことを思い浮かべました。

6月27日午後11時、私は作業に取り掛かりました。壁に打ち込んだ「June.28」の外郭を縁取ったピンに、黒い糸を張り、重ねてゆくことにより立体的な文字を作り出す。翌朝からスタジオを訪れ始めた一般客の協力を得て、 私はこの作業を6月28日が明けてから暮れるまで続けました。

作品「28.June」は時間をかけると共に完成に近づきましたが、時間が過ぎると共に「6月28日」は終わり始めました。そして6月28日がついに終わるその瞬間、私のスタジオの壁には「6月28日」の労力の痕跡、つまり作品「28.June」が誕生しました。

「6」という整数は自然数の中でもっとも小さな「完全数」です。数字6を綺麗に割り切れる数字は6自身を除くと、1と2と3です。そして、この1と2と3を足すと、合計は再び6になります。
このように約数の和が元の数字と同じである数字が「完全数」と呼ばれています。自然数の中に完全数がどれくらい存在するのかわかっていません。2007年現在で見つかっている完全数はたったの44個です。

6の次に小さな完全数が、1+2+4+7+14の「28」です。つまり6月28日は、約数関数で σ(n)=2n を満たすnである完全数の、小さい方から二つを並べた、ロマンチックな数字の一日なのです。
さて、実際公式はよく判りませんが、何気ない一日も色々な角度から注意深く眺めてみると、実際何かしら「特別」な一日になるのかもしれません。