煩悩表現機械 SWITCH

 

Collection :
HIGURE 17-15 cas, 東京都荒川区

Special Thanks :
Makoto NAKASONE, Yuko YOSHIMURA, Yuko OBARA, Airi OBARA, Shin IGUCHI

人間には108の「煩悩」があると云います。

眼耳鼻口肌に識。この6つの感覚にそれぞれ「快」「不快」「そのどちらでもない」という状態があり、更にこの6つの感覚の3つの状態が、「流動している」「停滞している」という2種類づつあり、6×3×2で36通りの心の状態があると云います。
この36通りの心の状態がそれぞれ「過去」「現在」「未来」という3世と係り、36×3、つまり108通りの心の状態となります。
仏教では、何事かに囚われるというのは「煩悩」に他ならず、修行を通して「悟り」に己を導くことを目指すと云います。

この作品は煩悩をテーマにしたパズルマシンです。手元の操作盤を操作することで、表示板のランプが点いたり消えたりします。家庭の電灯と同じ要領で、それらはとても単純な動作です。しかし、内部では複雑な配線を組んであり、ひとつのスイッチを動かしたからといって必ずひとつのランプが点くとは限りません。カチカチといじることによってランプが消えてゆくことさえあります。

ひとつひとつはとてもシンプル。重なり合えば複雑怪奇。結果が原因を生み、原因が結果となる。全て点ける(煩悩)を極むも全て消す(悟り)を目指すも、結局の確率は全く同じ。
さぁ試してみてください。貴方は全てのパネルを点灯させることが出来ますか?