枯 山 水

 

Exhibition :
中津江アートキャンプ 2002 "Borders and Change"
2002.08.03 - 08.13 大分県中津江村 鯛生地区

Supported by : 中津江村

Special Thanks : Tyler RUSSELL (CA)

「枯山水」とは水の無いところに(水の)流れを表現する手法です。

オガクズという素材は中津江村にとって非常に象徴的な意味を持っています。私はこの素材を使い、廃墟となった建物の中に水を表現したいと考えました。

建物の床の、時の経過による磨耗の具合に着目し、土が剥き出しになっている部分はそのままに、残っているコンクリートの上のみにオガクズを敷きつめました。歴史的背景を持つ廃屋に、白いオガクズの「島」と黒い土の「河」をイメージし、天然の持つ「成り行き」を強調することで、時の流れの視覚化を試みました。

またその辺りに散在していた廃材を無作為に積み上げ、物質的記憶の再現を試みました。来場者はこの土の河の上を、積み上げられた廃材の間を歩くことが出来ます。

「枯山水2002」は、時の流れを視覚化し、現在の人の流れを重ねるという試みでした。